Seasonal Scenes

19970608

 

天気のはっきりしない日々が多くなってきて、梅雨入りがもう間近のようです。この夏はいつもより涼しくて蒸し暑く感じることがあまりありませんね。
さて、空の色も同じようにはっきりせず、次から次へと変わってゆきます。ものの本によるとそらの色は大気中にある窒素・酸素・炭酸ガスなどが太陽の光に乱反射されて、赤や青などの色になるのだそうです。しかも青い色のほうが効率よく反射されるので、朝日・夕日の赤以外の空は濃さはいろいろですがブルーになります。
それはともかく、真っ青な空そのものを眺めていると吸い込まれそうでちょっとこわくなります。そのこわさは、自分が空にとけこんで の次元へ行っちゃう感覚がやってくるからで私なんぞは歯がムズムズしてきます。こわいもの見たさ的感覚であり快感でもあります。
ところがそこに鳥や木などが視界に入っていると、ムズムズの感じが消え去って、残念ですが空は風景の一部になってハイおしまい。日常に近しい鳥や木がこのムズムズを止める役割をするのは、生き物だからでしょうか。

大きな木の花


ここ谷中に暮らし初めて一年半。天王寺の泰山木(たいざんぼく)に気づきました。この木は天王寺の大仏さんより高く大きな木で、その花はすばらしく美しいのです。
つぼみは、薄茶の産毛でおおわれていますが、咲くと陶器のような冷たい高貴な白さをたたえます。花の大きさは大人の手のひら以上もあって花びらの一枚一枚が陶器ように重みがあって端正につくられている感じです。大きいからといってざっくりしていないので、図体のでかい私はこの花の存在がうれしくなります。薫りの方もくちなしをもう少し洗練したような芳しさで木の周りを漂っています。上品なのに派手さもあって何とも言われ 艶っぽい木です。