19981103
秋の花
秋はずいぶん私たちの近くにやってきています。
落ち葉がはらはらと落ちるその風景に、心はとても鋭敏になります。 谷中の植物は実をつけたり、照葉になったり。気づかなかった自然の姿にしばし目を奪われるのもいいかもしれません。 |
『小紫』(だと思う)はツブツブがなんともかわいらしい。雑草の中に見え隠れして見逃してしまいがちだけど、野の花というのは感覚が澄んでいないと気づかない美しさがあって、その発見には優越感を覚えます。
茶花としても使われるこの実は、秋の静寂さや楚々とした品格を漂わせてたたずむのです。 |
『こすもす』は墓地のなかにありました。背の高い色とりどりの花は風にゆられて靡いています。
墓にコスモスとはあまり見かけない風景ではありますが、グレイッシュな墓石にビビッドな色は違和感があるのですが、妙に調和しています。 私たちの近くにいた老女が、このコスモスを植えたのだそうです。なぜ?と思っているとこの墓は彼女のものなのだそうです。「まだ死んでいないからね。」 |
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ここは、彼女の庭です。墓という本来の意味をまだ果たしていない所有する空間に、
人間は何かをせずにはいられないのです。性ですね。 |
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