Seasonal Scenes

19990314

この季節、梅は古くから文学の中心でした。

梅の花夢に語らく風流たる
花を我思ふ酒に浮かべこそ
大伴 旅人

板塀や梅の根岸の幾曲がり
正岡 子規

万葉のは難しくてよくわからないのですが、子規の句は「座布団いちまい!」(あたりまえか)と思ってしまう。梅は私たちのそばで、季節を告げてくれたり暮らしを彩る代表的な花です。

香りがきつすぎる種類の梅は、お茶席では嫌われるのに、
『梅が香』という香が炉にくべられたり、

また、女性にたとえられたり。

梅は女性にたとえると、もの静かな人ように思われるかもしれませんね。
でも実は、その佇まいに相反する香りで好きな男を離さない、
男の方は別れても後をひくその香りから逃れられない、
そういう女性を指すのだそうです。

近すぎるとちょっとうざったいのに、遠いと気になる。
まるで人と人の関係のような花。
それが梅の香のようです。


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