Seasonal Scenes

19991228

餅つき

谷中では暮れも押し迫ってくると、あちこちで餅つきがはじまります。町内会が主催したり、大工さんが主宰したり。正月の鏡餅を作ることが目的なのですが、年末の忙しい中ご近所みんなで集まって、年末の挨拶がてら美味しいお餅とお酒で一服つくというのも楽しいものです。

やなか.comは西日暮里で動物病院をされている野澤先生(谷中自然史博物館主宰)の気合いの入った餅つきに毎年参加させていただいています。「餅つきは心構えが大切だ!」という先生の言葉通り、しっかりとついた美味い餅が食べられるので毎年楽しみにしている行事の1つです。

さて、年末には何故餅をつくのでしょうか?そして正月の鏡餅の由来は・・・「日本鏡餅組合」!?(色んなものがありますね...)の紹介によると『鏡餅とは神様と人を仲介するものであり、1年間の幸せを願う「晴れの日」に神前に捧げた餅をみんなで分け合って食べることで、神様からの祝福を受けようという信仰・文化の名残り』なのだそうです。最近は携帯のストラップにも鏡餅がついていたり、その上にキティーちゃんがのっかていたりするそうですが、じつは信仰のカタチだったのですね。(詳しく知りたい方は日本鏡餅組合のWeb Siteを覗いてみて下さい)。

餅つきには「餅米」が使われますが、前の晩から水につけて寝かせておかなければなりません、8〜12時間ほど付けて置くそうです。この日は30kgのお米が用意されていました。そのお米を芯が無くなる程度に蒸してから臼に移します。杵でこねてなじんだところで餅つきがはじまります。

杵で餅をつくのは慣れていないと難しく、私は去年やってみて役に立たなかったので、今年は火鉢の番をしながら専ら撮影班だったのですが、野澤さんは慣れたものでドンドンと地面をならしながら餅をつきます。米粒が無くなって餅の表面に艶が出てきたら出来上がり。それを鏡餅にしたり、のし餅を作る傍らで、大根やあんこを絡めたつきたてのお餅をいただきます。これがべらぼうに美味い!最後は近所のお蕎麦やさんが作ってくれるお雑煮で締めくくりです。
今年は浅草から特別にお相撲さんが来て下さいました。お相撲さんの鍛え上げられた足腰でつくお餅は別格です。昔は力人と呼ばれていたと言われますが、そう呼びたくなる気持ちも分かります。杵を臼に打ち付ける度に地鳴りがして、その地鳴りをお尻に感じているだけで、今年の厄を払って貰えるような気がしました。これで2000年も明るく迎えられそうです。

 

それでは、良いお年を!


endou@yanaka.com